「人の役に立つ」ということ
「人の役に立つ」ということ
更新日:2022/10/16
今日の朝刊のコラムに懐かしい言葉があった。講演を拝聴して、著書も拝読した佐々木閑先生のコーナーであった。
幼い頃から、父に、「人よりも先に先に」「人の役に立つ人間になれ」と言われてた事が蘇りました。
父が、盛んにその言葉を息子に言った背景を考えてみた。長年の映画会社の勤めに見切りをつけて、苦労の末、弊社を設立に至るのですが、五十年前に、初めて相見を許された山田無文老大師に、開口一番、「菩提心とは?」と問われたと聞いた。閉口する父に、老大師は、「菩提心とは、己未だ救われざるに、他を利するべし。菩提心を起こせ。菩提心を起こせ」と続けられたそうである。その、緊張感と、圧倒的な老大師のオーラは凄まじかったと後日談として、私の心中に染み付いている。この出会いが起因していると考える次第です。
墨蹟日暦の月々の、老大師が揮毫下さる言葉に、『支えられました。生きるチカラが湧いてきました。感謝です。』など、類似した感想を、言って下さるお客様から、寄せられる事は、望外な喜びです。
小学生の私に、懸命に働く後ろ姿を見せ続けた父に対して、生業を通して、言い付けの万分の一でも果たしているのかなと思い、自惚れています。